どちらも自然エネルギーを活用!パッシブ手法とアクティブ手法の違いについて解説!

軽井沢028_R.jpg

地球温暖化や絶滅危惧種の問題が深刻化する中、できることから始めようとする動きが国内だけではなく世界中で広がってきています。
家づくりでもその動きがあり、省エネを目指す家が増えてきました。
では、省エネの家とは一体どのような家なのでしょうか。
今回は、省エネを目的とした設計手法であるパッシブ手法とアクティブ手法の違いについて解説します。

□パッシブ手法とアクティブ手法の違い

家の設計手法であるパッシブ手法とアクティブ手法は、どちらも「省エネ」を目指す手法です。
しかし、目的を達成するための手段が異なります。

「パッシブ」とは英語で「受動的」を意味し、パッシブ手法は「受け取った自然エネルギーを最大限活かして」省エネを目指す手法です。
方法として、太陽光をできるだけ室内に取り入れて照明の使用量を減らす、夏は庇(ひさし)で室内に太陽熱が伝わるのを防いで冷房の使用量を減らすなどがあります。

一方で、「アクティブ」とは英語で「能動的」を意味します。
アクティブ手法で「先進技術によって積極的にエネルギー利用を最適化して」省エネを目指す手法です。
そのため、太陽光発電システムや全館空調システム、高性能断熱材などアクティブシステムと呼ばれる設備を導入する必要があるのです。

□パッシブ手法は昔の日本の住宅に通ずる

アクティブ手法を支える先進技術が開発されたのは最近ですが、パッシブ手法の考え方や方法は昔の日本の住宅に通ずるものがあります。

*高い吹き抜けとたくさんの窓

パッシブ手法を構成する要素に通風がありますが、それを支えるのが吹き抜けと窓です。
昔の家では高い吹き抜けがある家が多く、横だけではなく縦の空気循環も可能でした。
また窓が多いことで、空気の流れを確保するだけではなく、室内への太陽光の確保も十分だったのです。
このような窓の位置や吹き抜けの採用は現代のパッシブ手法でも主要であり、省エネの目的を達成するために欠かせないものです。

*深い軒

昔の家の軒は深いものが多く、日射遮蔽に役立っていました。
日射遮蔽によって夏でも室内の気温上昇が抑えられ、室内での暮らしの快適さにつながります。
パッシブ手法においても、日照時間や太陽の位置を計算し、軒の深さを決めています。

□まとめ

パッシブ手法は家の設計によってエネルギーを最大限活用することで、アクティブ手法は先進技術によってエネルギー利用を最適化することで、それぞれ省エネを目指す設計手法です。
先進技術を使うアクティブ手法に対し、パッシブ手法は昔からの経験と知識を活かされているものが多いです。
ぜひ家づくりではどちらの手法を取り入れるか検討し、省エネで快適な生活を送ってください。