実は問題点もある?注目されつつあるパッシブデザインの効果について解説します!

熊本058_R.jpg

家づくりには高い費用がかかります。
ローンを返済するためにも、その後の生活費も上手にやりくりする必要がありますね。

しかし、家づくりの段階から生活費を抑えられるようにしたらどうでしょうか。
自然エネルギーを活用するように設計されているパッシブデザインのお家は、省エネを実現、つまり光熱費も抑えられるのです。
そこで今回は、注意点とともにパッシブデザインの効果を解説します。

□こんなにある!パッシブデザインの効果

受動的に取り入れられる範囲内で自然エネルギーを活用しながら快適な暮らしを目指すパッシブデザイン。
その効果は、家に求められる基本的な快適さに通ずるものばかりです。

*冬は暖かく、夏は涼しく

太陽熱利用によって家の中に取り込んだ太陽熱で空気を暖め、高断熱によって暖かさを持続させることで、冬を暖かく過ごせます。

反対に、夏は日射遮蔽によって太陽光が室内に入るのを防ぎ、自然風利用によって家の中の湿度を快適にすることで、涼しく過ごせます。

どちらの季節も自然エネルギーを利用するので、冷暖房の利用を抑えながら快適な暮らしが可能です。

*明るさを確保

太陽光を必要な場所に取り入れられる間取りにすることで、昼間の明るさを確保できます。
天窓や吹き抜けの採用は、明るさを確保しながらも開放的な印象になり、デザイン性も追求できるのでおすすめです。

□パッシブデザインを採用する際の注意点

環境先進国であるドイツで確立されたパッシブデザインは、日本でも注目を集めています。

しかし、パッシブデザインの家づくりには、まだまだ日本ならではの問題点があるのです。

1.夏と冬の寒暖差

日本の気候はどの地域でも、夏は暑く湿気があり、冬は寒く乾燥しており、1年を通して寒暖差が激しいのが特徴です。
そのため、夏に涼しく過ごすために通気性を良くしてしまうと冬は寒く、冬に暖かく過ごすために気密性を高くしてしまうと夏は暑く感じてしまうことがあります。
どちらかに偏った対策は逆に非効率になってしまうため、寒暖差や日照時間の差を意識してバランスよく設計する必要があるのです。

2.プライバシーの問題

明るさを効率良く確保するためには、カーテンや障子を外したほうが良いでしょう。

しかし、日本ではプライバシーを気にする傾向が強く、家の中が丸見えになるカーテンなしの状態に抵抗がある方がほとんどです。
プライバシーを守りながら明るさを確保するためにも、天窓や吹き抜けの採用が良いのかもしれませんね。

3.スペースが確保できない

太陽光や自然風を家の中に取り入れるためには、家の周りがある程度開放的でなければなりません。
日本の都市部では住宅が乱立していることがほとんどで、家同士の距離も近く、パッシブデザインの効果を実現するためのスペースを確保することは難しいでしょう。

□まとめ

パッシブデザインは省エネも、快適な暮らしも実現できるデザインです。
環境に優しい取り組みが重視されるようになった現代において注目を集めていますが、日本ではまだまだ問題点があります。

そのため、パッシブデザインを導入する際は、十分なスペースを確保できる土地で、夏と冬の対策のバランスを保った設計を意識しましょう。
家づくりから省エネを意識し、金銭面でも環境面でも優しい家にしてみてくださいね。

PageTop